(仮題)魔女のいるファンタジー
 僕だけ事情がわかっていない。
 除け者にされるのも、置いてけぼりにされるのも、普段なら構わないけれど、今は嫌だ。

 彼らとだけは、同じフィールドに立っていたい。

「ごめんなさい、七人さん」
「謝らなくてもいいですよ。説明してください、白雪さん。あのメールは、どういう意味ですか? どうして突然会いたいって言ってきたんですか」

 少女はうつむいた。

「ナナっちはさあ」と、代わりに魔鏡さんが言った。

「リアルの話を持ち込むのは嫌いだよね」

 リアル──現実──僕の嫌いな世界。

「でもこっからはリアルの話になるんだけど、いいかにゃ?」

 僕は白雪さんを見た。

「構い──ません」

 こっちが大事だ。
 僕の大切なものだ。

「じゃ、言うけどさ」
 魔鏡さんはチラっと少女の顔を窺って、口を開いた。

「ナナっち、『リネイジ』って知ってる?」
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