(仮題)魔女のいるファンタジー
 まあ一応、時々学校にも行ってはいるが。
 僕が夢界に接続するのはもっぱら夜。

 夜な夜なあの繁華街に繰り出しては、道行く見知らぬ誰かとたわいない話に華を咲かせているというわけだ。

「ふうん、ま、べつにいいけどさ」
 遊び目的かと激怒されるのかと思いきや、意外にもアノンは何故か嬉しそうにそう言った。

 と、ここで。

 新着メールを報せる信号が、僕の頭の中で鳴り響いた。

 僕は慌てて目を閉じ、浮かび上がった視界でメール画面を開いた。
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