(仮題)魔女のいるファンタジー
とにかく、①王宮脱出方法が実行に移せそうだということはわかったが。
残りの②③が全て滞り無く実行可能であったとしても、魔鏡さんの「簡単! 今日から使える密入国の方法」に従うためには、僕にはまだ、幾つかクリアしなければならない問題があった。
最初にして最大の問題は──やはりアノンだ。
と、思っていたら。
「よっし、わかった。そういうことならあたしもついてってやるよ」
僕の説明を聞いたアノンは金色の瞳をくりくりさせて、そんなことを言い出した。
「何だよ、ネットってのも案外役に立つもんだな。てめえをこんな活動的にしちまうなんてな」
僕の予想に反して、大反対するどころか嬉しそうに宣う婚約者殿。
「──お前、正気か?」
「だーかーら! そりゃあたしの科白だと思うが」
再びごもっとも。
「いや、でも別にお前がついてこなくっても──」
「じゃあ聞くが、てめえ誰を護衛につけるつもりなんだ?」
そう、これが二つ目の難問。
僕の肩書きはルリーダの第四皇子。
外出──しかも他国へ行くとなれば、当然護衛の一人もつけるのが常識だ。
今さらここで常識を持ち出すのも馬鹿馬鹿しいほど非常識なことを、これからしようとしているのは百も承知だが。
残りの②③が全て滞り無く実行可能であったとしても、魔鏡さんの「簡単! 今日から使える密入国の方法」に従うためには、僕にはまだ、幾つかクリアしなければならない問題があった。
最初にして最大の問題は──やはりアノンだ。
と、思っていたら。
「よっし、わかった。そういうことならあたしもついてってやるよ」
僕の説明を聞いたアノンは金色の瞳をくりくりさせて、そんなことを言い出した。
「何だよ、ネットってのも案外役に立つもんだな。てめえをこんな活動的にしちまうなんてな」
僕の予想に反して、大反対するどころか嬉しそうに宣う婚約者殿。
「──お前、正気か?」
「だーかーら! そりゃあたしの科白だと思うが」
再びごもっとも。
「いや、でも別にお前がついてこなくっても──」
「じゃあ聞くが、てめえ誰を護衛につけるつもりなんだ?」
そう、これが二つ目の難問。
僕の肩書きはルリーダの第四皇子。
外出──しかも他国へ行くとなれば、当然護衛の一人もつけるのが常識だ。
今さらここで常識を持ち出すのも馬鹿馬鹿しいほど非常識なことを、これからしようとしているのは百も承知だが。