幻想
半年ほどたったある日の事。
1人のクラスメイトが突然話しかけてきた。
「ねぇ、そのキーホルダー、可愛いね。」
彼女の名前は桜井佳奈、明るい女の子だ。
俺は筆箱にサイコロのキーホルダーを付けていた。
隣の席だから気になっていたのだろう。
俺:「ありがとう。」
すると、彼女は突然。
村井:「それ、貰ってもいい??」
彼女とは一言も話した事がなかったから、少し驚いた。
俺:「まぁ、いいよ。あげる。」
俺は筆箱に付いあるサイコロのキーホルダーを外し、彼女に渡した。
彼女は嬉しそうに笑って、それを鞄に付けた。
これが彼女との初めての出会いだった。