秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

言うがままに彼の車に乗り込むと、すぐに発進した。
そして、コンビニで夕食にする弁当を買うと、車は私を乗せたまま彼のマンションに到着した。


「ここだ」

「あの……。はい」


伊吹さんの部屋に行くなんて、緊張してしまう。
でも、ひどく疲れた様子の彼が気になって、私ももう少し一緒にいたかった。


彼のマンションに来るのはこれが初めて。
七階建ての最上階、七〇五が彼の部屋。


「お邪魔します」


伊吹さんに続いて玄関に足を踏み入れると、いきなり大きな下駄箱があり、圧倒される。
そういえば彼、いつも違う靴を履いている。
服装のセンスもバッチリだ。


なにも言わずにスタスタと入っていってしまう彼に続くと、突きあたりのリビングに入った。

なに、これ。広い。
そこそこ広いところに住んでいるとは言っていたけど、"そこそこ"どころではない。
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