秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

おそらく私の家のリビングの二倍ほどの大きさで、真ん中に大きなソファ。
物もあまりなく、片付きすぎているからか、ちょっと殺風景に感じた。


「弁当食うか」

「はい。私、温めます」


キッチンに行くと、流し台にグラスが数個置きっぱなしにしてあるのに気がついた。

電子レンジを借りて温める間にグラスを洗っていると、彼はスーツを着替えてくる。
黒いセーターにジーンズ姿という私服姿は妙な色気が漂っていて、ドキドキする。


「洗ってくれたのか」

「はい。伊吹さん、ホントに料理しないんですね」


シンク以外は片付きすぎるほど片付いていて、ピカピカだった。


「そうだな。そんな暇はない」


たしかに。
おそらく帰ってきてからも仕事をしているのだろう。
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