秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

気持ちの整理をつけたはずなのに、あの出来事は私を臆病にしてしまった。

それに、彼の告白を一応拒否したはずなんだけど……そんな事実、どこかに葬られてしまっているような。
肉食男子、恐るべし。


「まぁ、いい。とにかく寝るぞ」


不機嫌全開になった彼に腕を引かれて寝室に入ると、ダブルサイズだと思われるベッドがあった。

そのベッドに少し乱暴に寝かされた私は、目が泳いでしまったけれど、彼はそんなこと気にする様子もなく隣に入ってきて私の足にまたがるように座る。


「えっ、あの……」


『寝る』って言ったよ、ね……。
焦りに焦り、なんとか逃れようと体をひねると……。


「今日は足だけやってやる」


えっ! まさかまた……。
彼はそう言うとすぐに私をうつ伏せにして、グイッと足の裏を揉みはじめた。


「あーぁっ」


悶絶する、というのはきっとこういうことを言うんだと思う。
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