秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「でもまだ固いです。もう少し……」

「いいって言ってるだろ」

「ごめんなさい」


突然叱られて、唖然としてしまった。
しつこかった?

慌てて彼の背中からどくと、彼はむくっと起き上がり、私の顔をじっと見つめる。


「あ、あの……ごめんな……」

「お前に触れられると、変な気持ちになっちまう」

「えっ!?」


えっ、そういう、こと?
ハッとして目を見開いていると、「寝るぞ」と彼は私をあっという間に捕まえて布団の中に誘った。


「我慢にも限度というものがある」

「あ、あの……」


そんなこと言われても、困る。


「悠里」


目の前にある彼の唇が、私の名前を作り出す。


「は、はい」


ドクドクと速まりはじめた鼓動が、彼に聞こえていないか心配になる。
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