秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「悠里は今、幸せなんだな」
「はい」
紳に宣言した通り、伊吹さんと一緒にいられる時間が幸せ。
それに、彼が言った通り、彼の隣だから輝ける。
「それなら、もう一度聞く。俺の女になれ」
伊吹さんのひと言に目を見開く。
一旦は断ったものの、もう私の心はとっくに彼に奪われている。
「はい」
彼の目をしっかりと見つめて、私はそう返事をした。
「幸せにする。世界で一番だ」
彼の真剣な眼差しに涙が止まらない。
すると彼は私の頬を両手で包み、「愛してる」とつぶやいてから唇を重ねた。
「もう、泣かなくていい」
「……はい」
と言いながら、泣きやむことができず肩を震わせると、彼は強く抱きしめてくれる。
「すぐに引っ越すぞ。いいな」
私は彼の腕の中で大きくうなずいた。