秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

私はしばらく呆然と立ち尽くしていた。
こんな結末、少しも予想していなかったからだ。


「あっ……」


それでも今は仕事中。

秘書室を抜けてもう十分くらい経つ。
戻らなければ……。

私は奈津の手紙をスーツのポケットに忍ばせて、秘書室に向かった。
するとさっきは席を外していた伊吹さんが帰ってきて電話をしている。


「そうだったんですか。わかりました。ありがとうございました」


すぐに電話は終わった。


「広瀬」

「はい」


電話が終わると同時に呼ばれ、彼のデスクに行くと、彼は自分のパソコンを指差した。


「これ、見たか?」


彼が指差したのは社内メールだ。


「えっ……」


思わず声が出てしまって慌てて口を押える。
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