秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「はぁ、また会議か……」

「多いですね」


新たに入った会議の報告をすると、大きな溜息をついている。


「そういえば、社長、お弁当を大変喜んでいらっしゃいました」

「そっか。よかった」


聡さんもうれしそうだ。


「それより、高畑さん、なにも言わない?」

「なにも、と言いますと……。すみません、私、なにか……」


気がついていないミスをしてしまったのだろうか。


「あぁ、違う違う。今のは気にしないで」

「はい……」


私は首を傾げながら仕事を続けた。


その日の仕事が滞りなく終わると、私は伊吹さんよりひと足早く会社を出た。

帰りにスーパーに寄って、夕食を作る予定。
毎日は大変だからと遠慮する彼だけど、彼の体の心配をしたい。
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