秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
サラダの仕上げをしていると、彼の声がした。
私が振り向こうとした瞬間、不意にうしろから抱き寄せられて体がビクッと震えてしまう。
プライベートでは甘すぎる彼は、こうして私を抱きしめるのが好きらしい。
「作らせて悪いな」
「いいですよ。伊吹さんのために作るのは楽しいです」
イヤイヤ作っているわけじゃない。
それに、彼の体の心配をするのが私の仕事。
「悠里が来てから、俺の生活、充実してる」
彼は私の肩に顎を乗せ、ちょっと甘えたような仕草をする。
「ホントですか? ひとりになれなくて辛くないですか?」
「好きな女に触れていられるのに、辛い訳ないだろ」
彼はそう言うと、私の顎に手をかけ唇を重ねる。
事あるごとにキスをしてくる彼は、ちょっとキス魔かもしれない。