秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「親父、今日は光川物産の社長と会食だっけ」
「はい。十二時に予定が入っております」
「それも高畑さんが行くんだよね」
「そう聞いております」
なにか不都合があるのだろうか。
「あの、なにかあれば今から呼んでまいりますが」
私ではできない仕事があるのかと思ったけれど……。
「いや、俺は広瀬さんがいてくれれば十分だよ。今日は会議だけだしね」
「……はい」
聡さんはそう言うけれど、一瞬険しい顔をした。
不思議に思いつつ秘書室に戻ると、すぐに電話が鳴り慌てて取った。
「はい。宮城コーポレーション秘書室広瀬です」
『私、光川物産の社長秘書をしております、梶(かじ)と申します。高畑さんいらっしゃいますか』
それは、これから会食予定の相手の女性秘書だった。