秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「バラ、ありがとうございました」
ネックレスだけで十分だったのに、まさかこんな演出までしてもらえるとは思っていなかった。
「いや、俺の気持ちはバラくらいじゃ伝わらない」
ううん。十分すぎるほど伝わっている。
彼に愛されていると感じる。
「悠里、もう二度といなくならないでくれ。悠里が出ていったんだとわかった瞬間、血の気が引いた。あんなに動揺したのは、生まれて初めてだった」
彼は私の頭を抱えるように抱きしめ、決して離そうとしない。
「私だって……そばにいたい」
もう二度とあんなに寂しい夜はごめんだ。
でも、彼ほどの人なら、他にいくらでも素敵な女性がいるのではないかと不安になる。
「それなら、ここにいろ」
「……はい」