秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
秘書室室長の独占欲

それでも会社に行くと、疲れた顔ひとつ見せない彼を尊敬する。


「広瀬。手土産の準備は」

「はい。できております」


午前中に社長と聡さんに大切なアポイントが入っている。

傘下の不動産部門で大手スーパーとの契約が成立して、かなり大きなプロジェクトが進行しつつある。
長年の付き合いがある社長自らそのお礼と、聡さんを将来のグループトップとして紹介するらしい。

もちろん、今後の取引を円滑に進めるための話し合いもする予定だ。


「午後は聡さんはそのまま会議だ。この資料を追加で届けてくれ」

「わかりました」


会議に関する資料は、もう先週提出済み。
だけど聡さんから追加の要請があったのだろう。

私はその資料を持って聡さんの部屋に向かった。
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