秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
きっと伊吹さんは、自分が持ち物の最終確認しなかったことに責任を感じているに違いない。
社長が伊吹さんのせいだと思わなくても、常に完璧を目指す彼は、そういう人だ。
私は秘書の秘書だもの。
伊吹さんを助けるのが私の仕事。
地下鉄の長い階段を駆け下りると、息が上がって苦しい。
それでも止まれないのは、どうしてもこのファイルを時間までに届けたいから。
改札を通りまた階段を下りると、電車が止まっているのか見え、発車ギリギリで駆け込んだ。
上がった息を整えながら、スマホで乗り換えをチェックする。
二回乗り換えが必要だけど、ギリギリ間に合いそうだ。
それからも電車がつくたびに走り、最寄駅に到着すると、スマホの地図を頼りに再び全力疾走。