秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
彼の優しさに触れる度、心が彼を求めてしまう。
「気をつけて帰れ」
「はい。高畑さんも、ご無理なさらず」
余所余所しい会話は、上司と部下のもの。
ちょっと寂しいけれど、彼と別れて会社を出た。
彼の家に帰るとすぐに簡単に食事を済ませ、お風呂を入れて浸かった。
「痛っ」
絆創膏だらけの足は、お湯がしみる。
でも、パンプスで走って疲れた足をマッサージしながらお湯に浸かっていると、リラックスしてきた。
今日はさすがに間に合わないんじゃないかと、ドキドキした。
でも、間に合ってホッとした。
社長……いや、伊吹さんの役に立てて本当によかった。
お風呂を出ると、無事に今日が終わっていくことを感謝しながら、ビールを一本だけ飲むことにした。