秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

いつもはさほど飲まないけれど、誕生日だから今日は特別。


「乾杯」


伊吹さんがいてくれればなと思ってしまうけど、仕事だから仕方ない。
ひとり寂しくビールをグビッと喉に送った。


一本飲み終わる頃、頭がふわふわしてきた。
いつもはこれくらいで酔ったりしないけど、やっぱり疲れてるのかな……。


ほろ酔い気分でソファに足を投げ出して座ると、まぶたが降りてくる。

こんなことろで寝たら、伊吹さんに叱られそう……。
頭の片隅でそんなことがよぎったものの、睡魔には勝てなかった。


「まったく、風邪をひくだろ」


フワッと体が浮いた気がしてゆっくり目を開くと……。


「伊吹さん……」


彼が私を抱き上げていた。


「こんなところで寝たら風邪をひく」
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