秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
一度、私が出ていったので彼は心配しているようだけど、不安なのは私の方。
家を出ていったのも、彼に愛想を尽かしたからじゃない。
大好きな人が、他の女性に視線を移すことに耐えられなかったからだもの。
「悠里……」
切なげな目で私を見つめる彼は、私の頬に手を伸ばし優しく撫でる。
「伊吹さんが好きなの。梶さんにもいっぱい嫉妬したし、伊吹さんに嫌いになられたらどうしていいのかわからない……」
「嫌いになる訳ないだろう」
彼のそのひと言を聞いて、涙が止まらなくなる。
「もう、お前しか見えない」
彼はそう囁くと、再び唇を重ねた。
それから彼の大きな手が私の肌を滑りだした。
私の火照った体に触れる彼の唇も、心なしか熱く感じる。
「はぁっ……」
私の体を知り尽くしているかのような彼の愛撫に、どうしても声が漏れてしまう。