秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

すると彼は満足そうに私を見つめ、さらに続けた。


「もう、ダメ……」

「まだだ」


そう言う彼は、私がガクガク体を震わせるのを楽しんでいるかのように見える。


「でも……あっ……」


彼にしがみつき悶えると、彼もまた「はぁー」と切なげな声を漏らすから、胸がギュッと締め付けられる。
私はこんなに愛されている。


やがて彼が入ってくると、大きな背中に爪を立ててしまう。
彼が眉間にシワを寄せ悩ましげな溜息をつくのを見て、少し前まで雲の上の存在だった彼のことが愛おしくてたまらない。

彼と一緒なら、幸せになれる。


「愛してる。二度と俺から離れるな」

「……はい」


もう片時も離れたくない。


「んんんっ、あっ!」
< 340 / 370 >

この作品をシェア

pagetop