秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
番外編
オトナな彼のコドモな嫉妬 Side悠里
「聡さん、お疲れさまでした」
得意先から帰ってくると、早速聡さんにコーヒーを淹れた。
聡さんの秘書としてひとり立ちしてから、少しずつ緊張することも少なくなり、重要な得意先への訪問や大切な商談も伊吹さんの力を借りずともこなせるようになってきた。
とはいえ、事前の準備段階で彼の助言を聞き、完璧に準備を整えて乗り込むからなんだけど……。
「いやー、広瀬さん、グーンと成長したよね。高畑二号みたいだ」
「二号って……」
聡さんの言い方がおかしくて、思わず吹き出してしまった。
伊吹さんには遠く及ばずとも、彼に秘書の仕事を教えてもらい今がある。
だからそれは最高の褒め言葉だ。
「でも、やっぱり女の子がいると雰囲気が和らいで助かるよ。ほら、高畑さんがうしろでにらみを利かせてると、俺まで緊張する」