秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「私がなにか?」

「あ……」


聡さんが固まったのは、伊吹さんが思いがけず顔を出したからだ。


「聡さん、お気をつけ下さい。さっきの発言セクハラです」


伊吹さんは表情ひとつ変えず淡々と言葉を紡ぐ。

セクハラって……『女の子がいると雰囲気が和らいで助かる』ってとこ?
セクハラというわけでもない気がするんだけど……。

聡さんは私を持ち上げてくれただけだ。


「あぁっ、ごめんね、広瀬さん」

「とんでもございません。お気になさらず」


私がそう言うと、伊吹さんがギロリと私をにらむ。
怖いんですけど……。


「そ、それでなにか?」


聡さんは空気を変えるようにそう言った。


「はい。社長のこちらのスケジュール、聡さんに代わっていただければと」
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