秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
でも、ここにずっといても仕方がない。
もっと悪化する前に帰ろうと立ち上がったけれど、立ちくらみがして再び座り込んだ。
高畑さん……。
本当に来てくれるの?
もう彼だけが頼みの綱。
どれくらい経ったのだろう。
苦しくてギュッと目を閉じていると、フワッとコートをかけられたので、目を開けた。
「広瀬。つかまれ」
「高畑さん……」
彼の顔を見てホッとしたのか、涙がこぼれてしまった。
彼は私を抱えるようにゆっくり歩いてくれた。
やっとのことで駅を出ると、車に乗せてくれる。
「すみません」
「いいから黙ってろ」
彼は自分のコートを私にかけてくれたまま、車を発進させた。
仕事が遅くなったとき、数回送ってもらったことがあるから、私の家は知っている。