秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「なんの、ケンカでしょう。私なんて高畑さんの足元にも及びませんので、ケンカなんてできません」


上司の高畑さんと張りあえることなんてなにひとつとしてないと強調すると、「そうかぁ」と彼はまたクククと笑った。

あぁっ、もうここまで来たらバラした方がいいんじゃないかとすら思える。


「失礼します」


やっとのことで聡さんの部屋を出ると、ホッとしすぎて気が抜けた。


秘書室に戻ると、いつも通りのサイボーグ高畑は、黙々と仕事をこなしている。


「広瀬。今日はもういいぞ。帰れ」

「はい。それではお先に失礼します」


伊吹さんは私がひとり立ちしてから、気を遣って早めに帰してくれる。
それは緊張が緩んできたとはいえ、まだまだ肩に力が入ることが多く、ヘトヘトになってしまうからだ。
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