秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「悠里がいろんな男から狙われていると聞いたからだ」
それってやっぱり八坂さんのこと?
「そんなこと、ありませんよ。だいたい私を狙うって、そんなことありえ……」
「だから心配なんだ」
私の言葉を遮って声を荒らげた彼は、険しい顔。
「その無自覚さが男を寄せ付ける。少しも警戒せずニコニコしていたら、男は勘違いするんだ」
「八坂さんのことですか?」
どうしようかと思ったけれど、このままでは埒があかない。
思い切ってそう言うと、彼は目を見開いた。
「やっぱりお前……」
「勘違いしないでください。今日、聡さんが八坂さんの話をしてから伊吹さんが変だと聞いただけです」
私がそう言うと、彼は視線を逸らした。
「八坂さんには素敵な彼女がいらっしゃるそうですよ。あくまで秘書として、評価してくださっただけです」