秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「高畑さん。高畑さんの心配は誰がするんですか?」


ふと聞きたくなった。

私の心配は彼がしてくれる。
でも彼は、いつもひとりで不安と戦ってるの? 
いや、もしかしたらこのサイボーグには不安なんていう言葉がないのかもしれない。

そう思ったけれど……。


「それならお前がしろ」

「私?」

「そうだ。広瀬が俺の心配をしろ」


なぜだか鼓動が激しくなる。
私が彼の心配を?


「でも、なにもできません」


彼のようにフォローできる力なんて持ち合わせていない。


「そんなことわかってる。だけど、誰かに心配されるのも悪くない」


高畑さんも、私たちと同じように不安を抱えて生きているのかもしれない。
でも、私と違うのは、それを微塵にも感じさせないだけ。
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