秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「わかりました。心配します」


私がそう答えると彼は「フッ」と笑う。
そして……「それじゃあ頼んだ」と優しい声で囁くから、ドキッとした。


「今日は俺が心配してやる。だからぐっすり眠れ」


彼はもう一度私の額に手を伸ばし熱を確認すると、そのまま目の上に手を置き、まぶたを閉じさせた。


「はい」


寒さに体を震わせていたからか、とても疲れていた私は、そのまま眠ってしまった。


朝起きると、体が随分軽くなっていた。
高畑さんのマッサージが効いたのかもしれない。


「高畑さん?」


だけど、彼の姿がない。
すると、テーブルの上に置手紙があるのを見つけた。


【今日は休みをやる。風邪を治すのがお前の仕事だ】


高畑さんがくれた仕事には優しさが詰まっていた。
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