秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
二十時頃になり、なにか口にしておかないと明日復帰できないと思っていると、突然チャイムが鳴った。
「はい」
ドアホンを取ると、高畑さんの顔が映る。
『俺だ』
「はい。今開けます」
もしかして、心配してきてくれたの?
今の『俺だ』っていうの、彼氏みたいでドキドキした。
慌てて玄関を開けると、サラサラの髪に雪が少し乗っている彼が入ってきた。
「お疲れ様です。雪……」
「あぁ、さっきからまた降ってきた」
そして彼は当然のように部屋に上がる。
「熱は?」
「下がってきました。もう大丈夫です」
私がそう答えると、彼は安心したような顔をして私の額に触れた。
「飯、食ってないだろ」
それから彼は私にコンビニの袋を差し出す。