秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「はい」


袋の中を覗くと、うどんとカツ丼が入っていた。


「食うぞ」

「えっ? はい」


一緒に食べるということ?

彼はコートを脱ぎ、ネクタイを緩めた。
なんだか旦那様が帰ってきたみたい。


「あの……」


髪が濡れたままなのを見て、慌ててタオルを持ってきて差し出すと、「サンキュ」と言って受け取ってくれる。
その様子を見ていると、昨日髪を乾かしてもらったことを思い出してしまって、勝手に頬を赤らめた。


「狭いですけど、座ってください」


彼をソファに誘導すると、お弁当を温めはじめた。

すると彼はすぐにバッグから書類を取り出し、仕事を始める。
私がいなくて雑用が増えた分、仕事が溜まっているのかもしれない。


「あの……お休みをいただいてすみませんでした」
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