秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「それなら広瀬が俺の体調管理をしろ。明日から飯を作れ」
「は……」
予想外のことを言われて、箸を落としそうになる。
「俺は飯なんて作れない。仕方ないだろ」
『仕方ない』って……。
でも、本当に私が作るの?
「高畑さん、なんでもできる人かと思ってました」
サイボーグ高畑は、なにひとつとしてできないことはないイメージ。
だから料理だって難なくこなすのかと思った。
だって、社長や聡さんの食事もいつも同じものにならないように気を配っているからだ。
「そんなわけないだろ」
それを聞いてなんとなく親近感がわく。
「なんでもできるかと思っていたので、少し安心しました」
サイボーグじゃなかったみたい。
私たちと同じように苦手なこともあるんだ。