秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「最初は和食がいい」

「あっ、まだ作るとは……」


『言ってないんですけど……』と言いそびれた。
彼がいつもの鋭い目で突き刺してきたからだ。

でも……。


「心配、してくれるんだろ?」


次に飛び出した彼の声は、その目には似合わない優しいトーンだった。


「……はい」


なんだかいいように転がされている気もするけれど、彼が心配なことには変わりない。
いつもフォローしてもらっている彼に、一度や二度、食事を作ってあげるのもいい。


それから、丸一日なにも食べていなかったせいで、うどんを平らげてしまった。


「ごちそうさまでした。片付けますね」


私より早く食べ終わり書類をチェックしていた彼にそう言うと、彼は顔を上げ私を見つめる。
そして、立ち上がろうとした私の手を引き寄せ自分の隣に座らせた。
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