秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

そして……。


「あっ、あのっ……」

「少し疲れた」


彼が正座した私の足に頭を乗せ、寝そべるから慌てふためく。


「高畑さん? 眠られるのなら、枕と毛布を……」


そう言いながら立ち上がろうとすると……。


「ここにいろ」


ドクンドクンと打ち始めた激しい鼓動が、彼に聞こえないか心配になる。


「あっ、でも足がしびれちゃうから……」


なんとかこの状況から逃れようとするけれど「それなら足を伸ばせ」と少し頭をあげてくれただけ。


「広瀬が休んだせいで疲れたんだ。責任もってお前が癒やせ」


そう言われると弱い。
でも、高畑さんがこんなふうに甘える人だなんて、驚き以外のなにものでもない。


「で、でも……こんなところを彼女に知られたら、叱られちゃいますよ」

「女なんていない。いたらこんなところには来ない」
< 60 / 370 >

この作品をシェア

pagetop