秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

「好きならいいんだな」

「は?」

「まぁ、今日はいい。十五分経ったら起こせ」


高畑さんは私を散々振り回しておいて、自分は目を閉じた。

『好きならいいんだな』って、どういう意味?


「もう、なに言ってるのよ……」


小さな声でつぶやいたけれど、彼は本当に眠ってしまったらしく、なんの反応もない。

でもこんなにすぐ眠れるほど疲れているんだ……。


だけど、膝枕なんて、生まれて初めての経験。
しかもその相手が、イジワルだけど尊敬できるとびっきりのイケメンだなんて、ドキドキするなと言われても難しい。


最初はどこを見ていたらいいのかわからずにオドオドしていたけれど、彼の無防備な姿を見ていたら、だんだん心が穏やかになってきた。
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