《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「あれだ、見てみろ」
そう言ってカイの視線を追うと、そこには……。
「わぁっ」
町中の通りを通過する、パレード。
なんかのお祭りなのか、明るくリズミカルな音楽やダンサーがちらほら見える。
その中でも、ひと際目を引いたもの、それは……。
「さぁ見てらっしゃい、錬金術師の織り成す、炎と水のショーだよ~!!」
ボワッと、目の前で炎が渦巻き、それを包むように水がどこからか現れ、凍りつく。
「あれ、すごい……」
「あぁ、錬金術だな、あれは」
「錬金術士??」
錬金術士って…何だろう??
確かお父様も、自分のことをそう呼んでた。
聞き慣れない単語に、首を傾げると、またもやカイは驚いた顔をする。