《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「おいおい、この化学都市で錬金術を知らないって、正気か?」
「……それを知らないと正気じゃないのなら、私はおかしいんじゃない?」
馬鹿にされたみたいで、むくれると、カイはまたもや、「仕方ねぇな」とため息をついた。
「いいか、錬金術は化学の最高峰、奇跡に近い現象の事だ。聞くところによると、不老不死、生き物の生成も出来るって噂だ」
「生き物の、生成……」
それじゃあ、私を作ったお父様も錬金術士??
その錬金術で、私を生み出したのかな……。