《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「何固まってんだよ?」
「……どんな料理なのか、想像出来なくて、困ってる」
「………は?」
テーブルに肘をついていたカイは、口をあんぐりとあけたまま、ガクンッと肘を落とす。
カイは、表情豊かだな……。
怒ったり呆れたり、そして呆れたり……。
ほとんど私に対して呆れてるけど、見ていて飽きないから不思議だ。
「ありえねぇ……。ここにあんのはオーソドックスなもんばっかだぞ!?」
「……でも、知らないからしょうがない」
「………ここまでくると、重症だな……」
カイは脱力したように机に突っ伏す。
そして、本日3回目の「仕方ねえな」を漏らし、メニューを開いた。