《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「腹はどんくらい減ってんだ?」
「………減るっていうのが、よく分からない」
「………もう驚かねぇぞ、俺は。カトレイヤが変なのはこの数時間で理解したからな」
勝手にブツブツと言っているカイをただ見つめる私。
なんだか奇妙な光景に、周りの客もチラチラこちらを見ているのに気づいた。
そんなに、変なのかな……私。
「あー、なら、ここはオムレツが有名なんだよ、それにすっか?」
「カイに任せる」
「はいよ、任されました」
棒読みでそう答えて、カイは店員を呼ぶとそそくさと私の分まで注文してくれた。