《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「本当に食った事無かったんだな、お前」
「初体験」
「そりゃ、良かったな……つか、お前知らなすぎ。今までどうやって生きてきたんだよ、マジで何者?」
憐れみと呆れを足して2で割ったような、器用な表情で私に尋ねるカイ。
「仕方ない、今日生まれたばっかりだし、人形だし」
「………はぁ?意味わから……いや、お前の胸の時計の事もあるし本当に人形……んなわけねーか」
一人で何かブツブツと唱えているカイ。
それでもすぐに首を横に振って、私を真っ直ぐに見つめる。