《短編》時計仕掛けのカトレイヤ


「本当に食った事無かったんだな、お前」

「初体験」

「そりゃ、良かったな……つか、お前知らなすぎ。今までどうやって生きてきたんだよ、マジで何者?」


憐れみと呆れを足して2で割ったような、器用な表情で私に尋ねるカイ。



「仕方ない、今日生まれたばっかりだし、人形だし」


「………はぁ?意味わから……いや、お前の胸の時計の事もあるし本当に人形……んなわけねーか」


一人で何かブツブツと唱えているカイ。
それでもすぐに首を横に振って、私を真っ直ぐに見つめる。


< 28 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop