《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
④16時の真実
***
それは、カイと町を歩いていた時に起きた。
人混みの中、カイの背中を追いかけていた時のことだ。
「そこの娘、止まれ」
突然目の前に黒服にサングラスをかけた男達が4、5人現れた。
その手には、銃のようなものまで握られていた。
「誰?」
「カトレイヤ!!」
立ち止まった私に気づいたカイが、すぐに駆け寄ってくる。
そして、ただ事じゃないと察したのか、私を背に庇った。
「そこをどけ、青年。君には用事は無い」
「理由を話してくれねぇか、内容により次第、ここをどくからよ」
警戒を解かずに、カイは男達を睨む。
そんな私たちを、周りの町人は遠巻きに見つめていた。