《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「カイ、力持ち!」
「まーな、つか、お前が軽すぎなんだよ!」
そんな会話をしながら、カイは途中で大通りから路地裏に逃げ込む。
すると、いきなり行き止まりになった。
「え、カイ……行き止まり」
「いーや、行き止まりじゃねー」
すると、その行き止まりの壁から距離をとり、助走をつける。
「ふっ!」
「ひゃあっ!」
ゴミ箱を足場にして、私を抱えたまま、壁を乗り越えた。
そして、軽やかに着地すると、また走り出す。