《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「………俺に、カトレイヤを守れって言いたいんだな」
すると、そうだと言わんばかりに、サイモンは頷いた。
そして、カイは私を見つめる。
その目は、私に何を言わせたいのか……。
カイは、ただ私の言葉を待っているように思っていた。
「私は……」
どうせ、この命に残された時間が無いのなら……。
せめて、傍にいたいと思えたカイと、一緒がいい。
「カイ、私といてほしい……」
「カトレイヤ……」
初めて、こうしたいって、心からそう思えたんだ。
この気持ちは、いくら私が作り物だとしても、真実だって、胸を張って言える。