《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
でも、これだけははっきりと言える。
「それでも、こうして生まれてきてよかった...」
「カトレイヤ...」
「こうして生まれてくることが、きっと私がカイと出会うための運命だって思ったら、人でも人形でも、もうどっちでもいいなって思うよ...」
そう思わせてくれたカイに、どれほど感謝してるのか、カイは知ってる?
カイは、私のすべてなんだよ。
「あーあ、すげえ殺し文句言うのな、お前って」
「そうかな?」
「そうだよ、最初は子守のつもりだったんだけどな...」
困ったように笑うカイに私は首を傾げた。
すると、不意打ちで口づけが落ちてくる。