《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
「それは...」
「え...んっ!」
言いかけたカイが私に口づけた。
そしてすぐに離れると、私を泣き笑いで見つめる。
「こういうことだ...、だから、ずっとお前に捧げるよ」
「こういうことって...」
分からなくて首を傾げる私の耳元にカイは唇を寄せる。
そして、そっと囁いた。
『永遠の愛を、カトレイヤに捧ぐ』
それは、まるでプロポーズのような囁き。
お父様がくれた命は、カイに愛されて今も続いている。
これから先も、共に生きていくカイは、きっと私を知らない世界につれていってくれるんだろう。
そして、私にたくさんの初めてをくれる。
私たちの時間は、こうして動き出したのだから...。
END.『時計仕掛けのカトレイヤ』