空から君へ愛の手紙を。

渡されたのはシャーペンだった。

「空、とね、買いに、行ったのっ。」

中出がようやく話始めた。

空が、僕に。

このシャーペンは、空が僕とまた話すために買ったもので。

あの時、本当は渡してくれるはずだったんだ。

このシャーペンが、まさか…

「形見になってしまうけど…」

初めて溢れた。

信じられなかった現実を、実感してしまって。

涙が、溢れて止まらなくなった。

「そらっ、そらっ、そっ…」
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