唯一息ができるのは、君の側だけだった
泣きそうになったそのとき





「大丈夫?」





小声で聞いてきた高校生がいた





それが蓮だった━━





「こっち来れる?」






満員電車のなか、私は体の向きを少し変えた






すると痴漢の手も届かなくなった





頭を下げてありがとう、と伝えた





次の駅に着いたとき





「ちょっと出られる?」その高校生は聞いてきた
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