唯一息ができるのは、君の側だけだった
「あっそういえばさ、名前言ってなかったよね。俺、蓮。」


そう言いながらスマホに何か打ち込んだ


「ねぇこれ見て?」


「うん?」


スマホのメモ欄に「月見里 蓮」の文字


「俺の苗字、マジ珍しいの!読める?」


「え~!わからないな!なんて読むの?」


「や、からはじまる!」


「や?月なのに?」


「そう。チチチチチ、、、タイムオーバーでーす!」


いたずらっ子の笑顔


白い歯がキラっと見えた



「これでね、やまなしって読むんだよ。なんででしょう?」



「月が、、、見える里には山がないから?」


「そう!正解~!」



「へぇ~!知らなかった。やまなしれんくん。いい名前だね。」



「あっ名前は?登録するから。」



「えっ私?私は佐藤陽子。普通でしょ。普通すぎて嫌いなの、この名前。」



「さとうようこ?いい名前じゃん。漢字入れてよ。」



蓮は無邪気にスマホを出してきた



「あっやべ!遅刻する!陽子ちゃんもそろそろ行ったほうがいいよね?」



「あっ。うん。遅刻しちゃうね。次の電車乗らなきゃ。」



「途中まで一緒でしょ?一緒行こうよ!」
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