唯一息ができるのは、君の側だけだった
公園とピンクの空
公園の入り口で蓮が走り出した




「ブランコやろーぜー。」




「ブランコか~小学生の頃やったよね。懐かしいなー。」




夕方の公園は人も少なくて、2人でブランコに乗りながら遊んだ




「ブランコ、調子にのって漕ぎすぎてさぁ、昔怪我したことあるよ!ブランコ飛び降りしてさぁ着地に失敗したの!あれはマジ痛かったなー。血がどばーって出たし。一緒にやってたやつらも顔真っ青になってたよ。」




「えーそんなことしてたの。ヤンチャだったんだね、昔から。」




「昔からって!はは!陽子ちゃんはしなさそうー。ブランコ飛び降り。」




「うん、したことない。」




「だよね。ここは柵があるからできないなー。」蓮が眉間にシワを寄せ、目を細めながらそう言った。





蓮は表情豊かだ。見ていて飽きない。




イキイキしている。キラキラしている。




蓮を見ているとなんだか、私もそんな人になれそうな気がしていた。
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