*中津先輩*
「うん。桜の森東高等学校って知ってる?」

「知らなーい」

「そうだよね。中学のとき好きだった先輩は、その高校にテニスの推薦で進学したの」

「へ〜、そうなんだ!」


クミは相づちを打つものの、さっきからずっとトーナメント表の冊子をペラペラとめくっている。


…まったく、このコはっ。

と思うけど、これがクミ。


決して悪気があってやってるわけじゃないから、憎めない。
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