*中津先輩*
気持ちが焦っていたあたしは、階段を踏み外してそのまま真っ逆さまに…。


5段くらいしかなかったから、大事には至らなかった。

でもあたしの両膝は擦りむけて、自分でも目を伏せたくなるくらい血が出ていた。


「…いっ!!」

立ち上がろうにも傷が痛くて、足に力が入らない。



しばらくそこで途方に暮れていると…。


「どうかした?」

ふと、階段の上から声がした。
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