*中津先輩*
声に反応して見上げると、そこには黒髪短髪の男の人がいた。


「1年生?もしかして、迷った?」

階段の下で座り込むあたしに、その人は不思議そうに階段上から見下ろす。


「な…なんでもないです!大丈夫です…!!」

あたしはとっさに、両膝のケガを隠した。


その人の他に、何人もの男の人がぞろぞろといた。


こんな大勢の人たちに、両膝を擦りむいたなんて恥ずかしいところ、見られたくないっ…。
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